図書館彼氏【短編】

「じゃあ、そろそろ俺帰るね」


「あ、うん」


「ばいばい」


「うん、ばいばい」



初めて会った知らない人なのに。

今日自己紹介して知り合いになった。

なんだか“ばいばい”が切なくて、かなしかった。

村谷君はすごい人だってこの数分で感じた。

たぶんね、君はきっとすごい人なんだね。




「私もそろそろ帰ろうかな」



私は今日素敵な人に出会ったかもしれないと思った。