図書館彼氏【短編】

【梨沙side】

颯斗があの男の子だったんだ。

なんかすっごく嬉しい。

私の好きな人があの時の男の子だったなんて。

漫画でありそうなことだからびっくりもした。

しかも、抱きつかれて告白………。

心臓バクバクってなってる…。



「梨沙は?なんで俺に会いたかったの?」


「また会いたかったの。ていうか、友達になりたかった。けど、傘を返してから会えなくなって…」


「うん、俺も図書館行ってればよかった」


「あとさ、颯斗があの男の子だって知る前、颯斗とずっとここで過ごしてね、恋したの」


「え?」


私は颯斗の目をまっすぐ見た。

そして………


「好き。颯斗に出会って、颯斗を好きになったの!」


「それ、まじで……?」


「うん。本当だ……



───ギュッ。



本当だよって言う前に颯斗にまた抱きしめられた。

でも、さっきよりも強く、気持ちを確かめるかのように抱きしめられた。

だから私は“本当だよ”って伝わるように颯斗を抱きしめた。

両想いってこんなにも嬉しいんだって思った。

幸せだって思った。