図書館彼氏【短編】

「じゃあ、こう言ったらわかる?……俺はあの時傘を貸した男の子」


「………え。ほ、本当に!?嘘じゃない?」


「お、おう」


「やっと見つけた!ずっと会いたかった!」


「そんなにも……?」


「あ、ごめん……」


俺がそう言った瞬間、顔を真っ赤にした。

それが可愛すぎてどうしようもなく抱きつきたくなって
俺は梨沙に抱きついた。

やっと梨沙に触れられた気がした。


「は、颯斗?なんでいきなり抱きついたの?」


「俺も……俺もずっと梨沙に会いたかった。ずっと探してた。で、やっと見つけたんだ」


「え………?颯斗もなの…?」


「うん。梨沙に出会って、困ってる梨沙見て、なんかほっておけなくて助けて」


「うん」


「で、傘を貸した時に見せてくれた笑顔に惚れた。でも、もう会えない気がして高校生になった時、またあの笑顔が見たくて宮田さんに聞いて、ここにいるって教えてもらってさ、やっと会えたんだ」


「えっと……………。今さりげなく告白になってた?」


「うわ、やべ。俺、さりげなく言ったよな?」


「うん……」


ついに、言ってしまった。

俺の気持ち。

梨沙と付き合えるかはわかんねぇけど、とりあえず気持ち伝えたならいいや。

うん、これでいい。