図書館彼氏【短編】

【颯斗side】

あぁ……。

梨沙が帰ったから暇だな〜。

図書館に来たし本読もうかなって思っても、本が好きってわけで来てねぇんだよな。

梨沙に会いたいから来てるし。

あ、宮田さんとはなそうかな。




「宮田さんいます?」


「はいはい、どちら様かな?……って颯斗くんじゃない♪」


「どうも。あ!あの席教えてくれてありがとうございます」


「いえいえ。どう?梨沙ちゃんといい感じ?」


「え……?」


「ふふっ。颯斗くん梨沙ちゃんのこと好きでしょ?」


「どう……して?」


「見てればわかるわ♪私も若い頃に戻りたいわ〜……なんちゃって♪ふふっ」



宮田さんすごい。

俺、尊敬します。

というか、宮田さんってなんでも知ってそう。



「バレてましたか。……あ。俺のこと梨沙に言ったりしました?」


「いいえ。まだ約束守ってるわよ!あ、でもちょっとはなしたかな」


ちょっとはなしたのか……。

まぁ、ちょっとならいいかな。

ていうか、梨沙って絶対俺のことわかってなさそう。

だから、宮田さんがちょっとはなしても“なんで知ってるの?”程度だろ。

ちゃんと俺からはなして、思い出してもらおう。