───数年後。
これはこないだの話。
俺はもう1度あの女の子に会いたくて、探すようになった。
「宮田さん」
「はい。……って颯斗くん!?」
「覚えてくれてたんですね」
「もちろんよ。今は高校生ぐらいかしら?」
「はい。もう高1になりました。……あ、そうだ。宮田さんに聞きたいことが……」
「本当にあれ以来会ってないなんてびっくりだわ。仲良くなれそうだと思ったのに」
俺は宮田さんにあの子に会いたいとはなした。
あれ以来会っていないことも。
「あの、まだあの女の子図書館に来てますか?」
「えぇ。ほぼ毎日来てますよ。あの子は奥のほうの小さなスペースにいると思うわ」
「あの案内してもらってもいいですか?」
「いいわよ。じゃあ、おいで」
そう言われた俺は宮田さんについていった。
でも、そこには誰もいなかった。
机に勉強道具がおかれてるだけ。
誰かが使っていたことはわかった。