図書館彼氏【短編】

「ねぇ、宮田さん」


「なぁに?」


「俺、あの子ともう会えない?」


「なんで?ここに来ればいつでも会えるじゃない」


「そうかな……?なんかね、会えない気がするんだ」


「………そう。君、なんか大人っぽいわね。ふふっ」


「うん、みんなに言われる」


「名前なんていうの?」


「颯斗……村谷颯斗」


「颯斗くんね。覚えておくわ」


「ねぇ、あの子が宮田さんに俺の名前聞いてきても教えないでね?」


「どうして?」



俺もわからない。

なんでこんなこと言ったのか……。

でも、教えたくなかった。

いつかまた会った時に教えたかった。



「さぁ?俺もわかんねぇ」


「本当大人っぽいわねー。モテるでしょ?」


「んー、どうだろ?てか、俺そういうの興味ない」


「さっきと全然雰囲気違うわね。ふふっ」