図書館彼氏【短編】

「こんにちは」


「あっ!梨沙ちゃん梨沙ちゃん!来たわよ!」


「え、本当?」


「あ、この前俺が傘貸してあげた女の子だ」


「えっとー……はい!傘ありがとう。それとクッキーも食べて!」


「うわぁ。ありがとう!」


「ふふっ、どういたしまして!」


あ!笑った!

うん、やっぱり俺は君の笑顔が好き。




「じゃあ、私帰るね!ばいばいっ!」


「ばいばい……」



“もう会えない”

俺はこの時そう思った。

だって、ただ傘を貸した人ってだけだから。