それは、部活の仲間のりかと
帰っている時だった。


「あのさ…」

りかが口を開いた。

「どーしたの?」

「私ね…私、松井のこと好きなんだ…」

「えっ?そうだったのーっ⁉︎」

松井とは私の元彼のことだ。

「うん…」

「告白しなよ!きっとうまく行くよ!」

私がそう言うとりかは
黙ってうつむいてしまった。

何の会話もなく
私たちはただ歩いていた。

気まずい雰囲気作っちゃったな…

そう思いながら歩いていると
りかがまた口を開いた。

「………私…」

私は顔を上げ、りかの方を見た。

するとりかの横顔には
一筋の涙が流れていた。

「りか…?」

「…私、松井に告ったんだ……」

「え…」

頭の中が真っ白になった。

「そ、それで、答えは……?」

何と無く、いや、
かんぺきにわかっていた。
どんな答えだったか…

でも、聞かないといけないような
気がして聞いてしまった。

「友達同士でいたいだって……」

「…ん」

「そんな暗くならないでよ!
私、大丈夫だから。
話聞いてもらえてよかったし…ねっ?」

「でも……」

「大丈夫!どうせ振られるのは
目に見えてたんだしさ。」

「………」

何も言えなかった…


そしてこのとき、
私は確信をしてしまった。