かんらんしゃ


そして次の日…

休み時間、私はずっと伏せていた。

最近、寝不足で疲れていた。

「ゆーあちゃんっ」

私を呼ぶ声が聞こえた。

頭を上げるとそこには田口がいた。

「ゆあちゃんー、メアド交換しない?」

驚いた。

まさか、
田口から言ってくるかとは
思わなかった。

「あ、うん。いいよ。えっとね……」

「おっけー登録完了。」

アドレスの名前のところには
“ゆあ”と登録されていた。

それがどこかもどかしく、暖かかった。

私が“田口”と登録しようとした時、
「待って。ゆうたって登録して。」

「う、うん。わかったよ」

私は言われた通りに
“ゆうた”と登録した。

「あのさ。俺、お前のこと
ゆあって呼んでるんだからさ、
お前も俺のことゆうたって呼べよ」

「え……?」

「嫌か?」

「別に嫌じゃないけど…」

「じゃあ、決定な。」

そう言ってゆうたは携帯をしまった。