かんらんしゃ

「はいっ!
それじゃあ、
新しいクラスに移動してくださーい」


廊下は既に
移動している人たちでいっぱいだった。


ザワザワとうるさい廊下を私は
するりと抜け2つ隣の教室、
5組へと移動した。

私は自分の出席番号の席についた。

不意に後ろを振り返ると
松井が座っていた。

そして私は頭を伏せた。

それから何分か経って
先生が入ってきた。

「はい。それじゃあ、
みなさん席についてくださーい。」

私が顔を上げると
目の前にはこの間の男子がいた。

目があった。

「「あ……」」

そう言うと、お互いクスクスと笑った。