「ねーえ、そろそろ名前くらい教えてくれても良くない?」 相変わらず彼女のもとに通い詰める男。 「知って何になるの」 相変わらず冷淡な彼女。 「名前で呼びたいから」 「なら、なんとでも呼んで。『化け物』でもいいのよ」 彼女は木の枝の上に澄まして座っている。 少しずつではあるが、2人の距離が縮まっていくように見える。