ふっと、体が軽くなりました。
けいちゃんの身体は地面から浮かんでいます。
そして、見えないエレベーターに乗っているみたいに、上へ上へとのぼっていきます。

「うわぁーっ」

見下ろすと家がみるみる小さくなっていきます。

それでも、全身で風を感じながら、どんどんのぼっていきました。

もう、街のあかりは小さく小さくなっていました。

だんだん左のほうが明るくなってきました。

「うわっ」
ピカッとおひさまが出てきました。

まだまだ、のぼっていきます。

ずっと下の方に、海や山や白い雲が見えます。

それでも、ずっとのぼっていきます。

やがて、それは大きな青い丸になりました。

「わあっ、きれい・・・」