パパが迎えに来て、けいちゃんは家に帰りました。

そして、夜になるのを今か今かと待っていました。


やっと、寝る時間がきました。

けいちゃんはベッドに入って、目をつむり、パパはチュッして、電気を消しました。


さあ、いよいよです。

けいちゃんは丸をパジャマのポケットにいれました。
そして、音がしないようにそっと歩き、玄関のドアをこっそり開けました。

外は真っ暗です。

「カサカサ」

上の方から音がしました。
(おばけ?)

けいちゃんはドアのノブを掴んだまま、身を乗り出して見上げました。

そこには幾千幾万の星々が瞬いていました。

けいちゃんは後ろ手にドアを閉めると、息を飲みこんで、唇を堅く結びました。

そして、頭の上に丸をのせると、確かめるように一言一言、ゆっくりとお願いしました。
一所懸命にお願いしました。