でも桐山先輩を
目の前で見れるのはとても貴重。
普段はファンが作った
KP5専用の道を通らずに
一般の生徒に紛れて校門を抜けるので
専用の道を歩いて私の前に止まる
…なんて新学期早々、
今年の運を全て使い切った気分です。
なので空っぽな心が満たされるまで
思い存分桐山先輩と朝比奈先輩の
熱いラブラブの絡みを堪能しようでは
ありませんか!。
「……にしても、あいつ等遅いな。」
桐山先輩は頭をガシガシ掻いて
溜息を口から深く吐いた。
「…ふふ。いつもの事じゃない?。」
他のメンバーに苛ついている
桐山先輩を見ては、
幸せそうな表情を浮かべて
クスクスと笑っていた。
……ほ、微笑ましい。
なんて微笑ましい光景なんでしょう。
逆に女の私が
朝比奈先輩の優しい微笑みを見て
胸がきゅんきゅんしちゃいます。
「…なあ、先に行かね?。」
「駄目。絵梨が来てないから。」
「……ったく、しょうがねぇな。
……今日だけだぞ?。」
「やった。泉頼大好きっ。」
入学して間もない頃に
私の前にいた先輩方の喋っているのを
聞いた内容だと
桐山先輩と朝比奈先輩は
"本当の恋人"では無く
"契約"で恋人になっているとか。
この話が本当かどうかは
私には分からないけど
こんなにラブラブなのに
"本当の恋人"では無いとすれば
"ある人"以外の恋愛事情には
全く興味が無い私でも
興味が湧いていく。
…例えば桐山先輩には
本当の彼女が居て
朝比奈先輩は浮気相手だとか
本当は朝比奈先輩が好きだけど
桐山先輩には愛せない理由が合ったり
もしくは朝比奈先輩側に
なにか理由が合ったり…等々。
話自体があくまでも噂には限りないが
私の趣味が妄想だけあって
色々な理由の憶測が脳内で飛び回る。
そんな事を考えるのも嫌いじゃない。
「朝からお二人さんは
ラブラブですねぇ〜。
本当にリア充は
羨ましい限りですよぉ。
なぁ?輝君。」
「……ふざけんな。
悠河もリア充だろうが。
………一層の事
リア充の奴は、別れちまえ。」
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