「見てっ! "KP5"よぉ!!。」




 目の前居たふわふわの髪をした女子が
 校門の入口付近に指をさした。



 慌てて前の女子が指をさした場所に
 視線を向けると

 そこには5人組の男子が
 手を振ったり携帯を弄ったりして
 校門の真下まで歩いているのが見えた。




 すると後ろの人達が
 彼等を出来るだけ近くで
 見ようとしているのか前に強く押され


 私は人の波にのまれないように
 両足で踏ん張りながら

 人の頭と頭の隙間から
 顔を覗き込むように出して
 前を歩く彼等をまじまじと眺めた。






 「「KP5! おはようございます!。」」







 彼等は"KP5(ケーピーファイブ)"こと
 "KingPrince(キング プリンス)"と呼ばれ

 芸能科所属の売れっ子アイドルでは無く
 普通科に通う一般人である。




 KP5のメンバーは
 中学時代からの友人であり
 毎日のように居た所を見て

 "ファンクラブ会長 古森千秋[フルモリ チアキ]"が
 名付けたのが始まりらしい。



 芸能科に通う芸能人よりも格好いいと
 結成前から評判があり

 相当な人気があったらしく

 ファンクラブが出来る同時に
 彼等の名前は一目に注目を置かれ



 今では星陵や星陵の周りにある
 高校に通う人の中で

 KP5を知らない人は居ない

 と言うほどの知名度を持ち、
 老若男女問わずに人気者だ。




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