『きゃぁぁ! 悠馬様よ!。』
『悠馬様が怒ってるわ!。』
『やべぇぇ!
敵に回しちゃいけない人を
怒らせちまったぁぁぁ。』
背が高い男が私の前に現れた瞬間。
周りに居る人達が一斉に騒ぎ立て
私の下着を見たであろう
少年2人の顔が真っ青になっていた。
…え?
"悠馬様"?
"敵に回しちゃいけない人"?
一体、この人は何者?!
『…見たやつ謝れ。』
『『えっ?。』』
『……10秒以内に謝れ。』
頭の中が混乱している中
"悠馬様"と呼ばれる背の高い男の声が
さっきよりも一段と低くなり
例え、表情が読み取れなくても
雰囲気から怒ってる様子が伺える。
…まさかこの人、怒ってくれてるの?。
『……めん…なさい。』
『……聞こえねーよ。
それに俺に謝ってどうする。
あの子に謝ってこいよ!。』
"悠馬様"と呼ばれる男は声を上げて
振り返ることなく私に指をさす。
少年2人は"悠馬様"と呼ばれる男の声で
ビクっ、と肩を大きく上げて
慌てて私の前まで走って駆け寄り
『ごめんなさい。
ごめんなさい。
ごめんなさい!!!!。』
何かに怯える様子を見せて
大きな声で謝りながら
何度も何度も頭を深々と下げていた。
周りの人達に下着を見られた事は
恥ずかしかったけど
ここまで真剣に謝られると
逆に私の胸が痛くなる。
『そんなに謝らなくても…
私は、大丈夫ですよ!
びっくりしただけですから…。』
『…ほ…本当ですか?。』
『はい。私も悪いですから…。』
にっこりと作った微笑みを浮かべると、
少年2人は
『ありがとうございますぅ!!』
と、元気よく言い、
真っ青だった顔色は元に戻り
ホッと安堵の表情をみせていた。
『…君、本当に大丈夫なの?。』
少年2人の後ろに立っている
"悠馬様"と呼ばれる男の声が聞こえた。
私は視線を少年2人から
いつの間にかこっちに振り返っていた
"悠馬様"と呼ばれる男に向けた途端
私の胸がきゅんっとなった。
これが悠馬様との出会いでもあり
恋の始まり ━━━
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