「やっぱり、寒いなー」
と言いながら山崎 舜也くんは上靴を履き替えている。
「…ひなちゃん、どうしたん?」
運動靴に履き替えない私を見て質問してきた。
「あ、の…私やっぱり一人で帰ります。」
「なんで?」
「迷惑なのかな…って思って。」
私はある方向に指を指した。
「あぁ。あの子達?」
「……うん。」
私が指を指した先は女の子2人が校門の前できゃあきゃあ騒いでいる。
こんな寒い中、ずっと山崎 舜也くんを待っててたんだろう。
なんとなく、寒さのせいで鼻が赤くなっているのが分かる。
モテるのもなんか辛いよね…
「じゃあ、ちょっと来て。」
「へっ!?」
と言い強引に私の腕を引っ張った。
