「痛っ…」
私はすぐそこにあった壁に突き飛ばされた。
いっきに、山崎 舜也くんとの距離が近くなった。
「なー。ひなちゃん。今すぐそれを返してくれへんかなぁ?」
山崎 舜也くんは私の手の中にあるiPodを見ている。
「早く変えしてくれないと、今すぐここで襲っちゃうよ…?」
山崎 舜也くんの手が私の太ももを優しく撫でている。
「やっ…だ!触らないでっ!!!」
私は山崎 舜也くんを振りほどこうとした。
だけど、男の子の力には勝てるはずがない。
「なあ。おれ本気やで?」
「お願いっ…返すから。やめて…」
私は泣いた。
ただ単に、私の話をちゃんと聞いて欲しかっただけなのに…
私は山崎 舜也くんのiPodを返した。
「あ…の?」
なんで…?
山崎 舜也くんはどこうとしない。
