スターチス。






後ろから声をかけられた。




そこにいたのは…








「…小池…くん?」




「ひな…なんでこんな所にいるんだよ?」



「小池くんこそ…」



「いや…ひならしき人の後ろ姿が見えたから、ついて行ったらひな、だったんだ…」



「………」



「こんな所で何してるんだ?学校遅刻す…る…!?」




「っー!」




私は足から崩れ落ちた。



小池くんの顔を見たらまた、涙が溢れてきた。




「ひなっ、どうした!?大丈夫か?」




「くっ…うっ…!」




小池くんの目の前で泣かないって決めたのに…



心配かけるから…




「苦しいよぉ…助けてっ……」




「ひな…大丈夫、落ち着いて。


おれがずっとそばにいるから…嫌なことは全部溜め込むんじゃなくて吐き出せ。」



抱きしめてくれる小池くんに私はすがりついた。



小池くんの学ランがびしょびしょになるまで泣いた。




小池くんの声や匂いが私を落ち着かせてくれる。



それから、私が泣き止むまでずっとそばにいて背中をさすってくれた。




「小池くん…」




「…無理して喋らなくてもいいよ」




「ううん。大丈夫…


私ね…小池くんに謝らなくちゃいけない事があるんだ。」



「?」



「私…舜也くんと付き合ったの。


でもあの時、付き合ってないって嘘ついた…ほんとごめんなさい。」




背中をさすってくれてた手が止まった。




「…ほんとうか……?」




「…うん」



抱きしめられていて今、小池くんがどんな顔してるか分からない。




「…そっか。舜と付き合ったんだな…」




その声はどこか淋しそうだった。




「小池くん…」