美雨side

「はぁー。疲れたー!教室どこー?」

私、牧田美雨は今日、華風中学に入学し

たばかり。

私の通う華風中学校は、華風小学校の真

隣りにあって、小学校ので一緒だった子

はほとんど隣りのこの中学校(華風中学

校)に通う。

ー教室ー

私は、窓側の列の一番前の席だった。

隣、後ろ、後ろの子の隣は、皆近くの阿
見町小学校の子。

(大丈夫かなぁ...)

私はそういう不安を抱きながら席に座った。

すると、後ろの隣の子が話かけてきた。

「ねぇ、名前なんていうの?」

「牧田美雨だけど。」

「ふーん。俺、上沢優!よろしくな!」

丸坊主で身長が少し自分より低い男の子

が話しかけてきた。

「うん!」

元気よく返事をする。

早速、男友達ができた。

次の日の理科の時間。

上沢くんは小学校の頃から野球部だった。

理科の時間は、上沢くんの自慢話を聞く

時間になって、授業に集中できない。

「俺さー、皆6年生のなかでさ、一人だけ4年生で、出たんだよね。」

自慢気に話すけど、それがいいのか悪い

のか、私にはさっぱりわからない。

でも、なんだか上沢くんは自分に似てい

る気がした。

だから、いつも一緒だった。

ある時、給食の時間、上沢くんのジャー

ジを見ると...

ー仲地ミカー

「え!!は!?付き合ってんの?」

「うん。まぁーな。///」

ードクン

ん?なに今の。

なんか胸の奥が痛い。

「へぇー。ファイト!」

「おぅ。サンキュー///」

ードクン、ドクン

痛いよ。

それから、その2人は別れたらしい。

2ヶ月くらいつづいていた。

後から、上沢くんに聞くと、野球部の先輩に

「3ヶ月続いたらお金くれてやるよ。」

そんなことを言われて、半分お金のため

に付き合っていたらしい。

でも、結局そのことをミカちゃんが知っ

て、別れたらしい。

なぜかホッとする自分がいる。

私はこの時、気づいていなかった。

自分の気持ちに。