のぞむはしばらく眉をひそめていた。 けれど、私がニヤニヤしながら見つめていると、 「……あ」 やっと、気づいた。 でも。 私はてっきり、「犬と一緒にするな」、とか言ってくると思っていたのに、 彼は、ぎゅーっと私を抱きしめた。 「どーしよ。俺、今かなり嬉しい。感動」 「のぞむ、ちょっと痛い」 「だってさやかがそんなこと言うのなんて、めったにないじゃん」 「そーだっけ?」