そして更にである。


「ところでさ、美智代もいよいよ結婚だね?」と、なつみが話題を変えた。


「え? 結婚って?」


 智子が食事の手を止め、なつみに目をやった。


「結婚だよ結婚」


「美智代が?」


 今度は智子、美智代に目を向ける。


 モグモグ食べながら頷く美智代。


 グラスに入った水を一口飲んだなつみが喋る。


「そっか、智子は知らないんだよね。美智代が結婚するって話し」


 美智代が結婚。


 智子にとっては初耳である。


「もしかして、相手は…」


 勘の鋭い智子だから美智代とゴールインする相手は誰か、想像付く。


「大体、分かるよね?」


「あの後藤稔だったりして」