「俺たちを、どうするつもりだ?」


「そのコには全く用はないわ。稔は私と一緒に、夢の世界へ行くのよ」


 コイツ!


 頭が変になったのでは!? 


 稔はそう、感じざるを得なかった。


「禁断のラブストーリのヒロインでも演じているのかよ? 芝居なら、どこかの劇場でも借りて演ってくれよな」


 ニヤリと微笑む里美。


「私がヒロイン? 悪くないわね。一緒に芝居を楽しみましょう」


「冗談言っている場合か! 邪魔だよ、そこをどけや! 俺たちの挙式を邪魔すんじゃねーよ!」


 稔は里美の脅しにも屈せず、強引に前を行こうとした。


「誰かその人を外へ連れ出して下さい! 何なんですかその人!?」