中は意外と広かった。


 ちょっとしたイベントでも使えそうな広い間取りになっているのだ。


 中央に並べられている折りたたみ式の長テーブルには色んな柄の箱とかが無造作に置かれていた。


 近くで作業している若い女性スタッフに挨拶をする智子。


 正面の姿見の前で椅子に座っている花嫁衣裳の女性の姿が目に飛び込んだ。


 鏡越しから見える顔で、美智代と分かった。


「ハーイ、智子」


 智子に気付いたのか、美智代は鏡越しからニッコリ微笑みながら手を振った。


「うわー!」


 思わず声を出した。