椿ちゃんの名前が出ると、由紀の表情がさえない。


　内村椿が今でも生きていると言う情報を由紀は香織から教えられている。


　学生時代は椿ちゃんとは仲は良くなかったから、殺されたと知っても大して驚きはしなかったのだ。


　だが生きていたと知った時は不気味に感じたのだった。


　どこかタダ者でない事は薄々感じていたが、香織の話しを聞くうちに内村椿に対する不気味さは益々、強くなって来ていた。


　智子が会話に入る。


「椿ちゃんって確か…」


　香織が智子に質問する。


「高村さんは内山椿の事、知っていたんだっけ？」


「二度ぐらい、会っていましたね。スッゴく明るくて、由紀さんと同じように不思議なパワーを持っている人でしょう？　今、どうしていますか？」


「それがねぇ…、何て言ったらイイかな…」