「クサいセリフ?」


「2人が結ばれるのを見届けるだの、過去の恋愛感情を捨てるだって」


「…」


「アンタったら、恋愛小説の悲劇のヒロインになっているつもりなのね?」


「何が言いたいの?」


 いきなり椿ちゃんは、里美の胸に手を当てた。


 胸、ないんだぁ。


 そんな事を思うのでは無い。


 里美の心の内を探るのだ。



 特に後藤稔への思いの度合いが知りたいと思っている。


「な、何?」