椿ちゃんからハッパを掛けられる里美だけど、里美は泣き言を口にするばかりである。


 それほど気持ちが滅入っている事ぐらいは、椿ちゃんには十分理解出来ているのだった。


「もっともっと頑張ればイイじゃない」


「何を頑張れって言うの?」とまあ、里美はすっかり消極気味に。


 間を置き、椿ちゃんはジッと里美の顔を見つめた。


「今のアンタじゃあ、何もかも上手く行かないかもね」


「どう言う事?」


 里美の聞き返しを受け、椿ちゃんは相手を透視するような眼差しで答える。


「里美ってサァ…、自分の事を…知識も教養も、女としての美しさも全てが完璧な人間だと思ってるでしょう?」