「そっかぁ…、それは残念だよね。っで? 藤島真吾とのラブラブは、どうなったのかなぁ?」


「…」


 しばし、沈黙の空気が流れた。間を置いて香織が口を開く。


「ひょっとして…」


「…」


 今は凄くブルーな気分の里美には答える気力さえも無かった。


 何も言わない里美の様子から香織は、真吾との交際は実現出来ない事を察した。


 まあ香織自身は、ある程度は予想していた事なのだけど。


「実は藤島真吾にはね、別カノがいるんだけどね。えーっと、名前は確か…」


「和田美穂って言う人」


「知っているんだ」


「真吾と会った時に、私の目の前に現れたの。本命の彼女だけどね。既に結婚しちゃって」