里美に応対してくれた採用担当者はかなり好印象も持ち主だった。


 同じ年頃の男性で、ソフトな人当たりで色々と語り合ったのだ。


「上司とジックリと検討して、後日お知らせします」と採用担当者。


 期待して待って下さいと言われた時は里美の心は踊った。


 他にも結構、応募して来ている女性たちがいるが里美は絶対に自分が採用されると確信したのだった。


 だがそれは甘い考えだった事を痛感した。


 封書の中に入っていたのは自分の履歴書と挨拶状。


>この度は当社の求人募集に応募して頂き、真にありがとうございます。

 十分な検討の結果、貴女様の御希望には添えられない事となりました。

 貴女様の今後の活躍をお祈り致します<と丁寧に挨拶文は書かれている。


 不採用だと言う事である。