「後藤さん、学生時代の元カノに会ったみたいじゃない?」


 すると、皆の視線が美智代に集中した。


「だーれ? 元カノって」と小百合。


 一枝が口を開く。


「もしかして、麻生里美?」


「その、麻生里美さんよ」


「あの女かー」となつみはため息。


 同じように小百合も一枝もため息付いた。


 麻生里美の名前が出て場が暗くなる。


 稔と美智代の仲を引き裂いたクセに、稔を簡単に捨ててしまった身勝手な女。