「何者って? 私は蒲原由紀、ごくフツーのOLよ」


「ただの人間にしちゃあ、随分と変わっているよね?」


「そうね。私って変わり者かもね」


「アンタね…」


 学生の頃、里美は自らが仕切る格好でちょっとしたグループを作っていた。


 濱村香織を初め小田輝美、城戸ルリ子、定岡遙香、桂理恵もいたし、内山椿もいた。


 蒲原由紀だってグループの仲間だった。


 仲間だったけれど内心では里美自身、由紀とは距離を取っていた。


 由紀は男子学生にモテモテだったし、同性の女の子からも人気が有った。


 由紀の高い好感度について、香織が分析した事が有った。


「由紀って真面目で他人思いだし、気配りが細やかだから誰にでも好かれちゃうのよね」


 なるほど、確かにそうだろう。