チョリッスと握手するための列に二人で並び、順番を待つあいだに聞いてみた。 「なにを探してたの?」 腕をさすりながら、痛そうに「どんぐり」という。 「どんぐり?」 「普通のじゃなくて、……うん。たぶん、普通のじゃないんだ。まずはどんぐりを探したいんだけど……」 よくわからないけど、どんぐりか。 心の中に〝どんぐりを探せ〟とメモをする。 さっき瞬也は地面を探していたけど、普通じゃないなら道ばたに落ちているとは限らない。