さっさと更衣室から出て行ってしまうイマイを見送りながら、
あたしは、実はこの世界のことをなあんにも知らなかったんじゃないかっていう、
たよりない気持ちになっていった。
いよいよその時が来た。
「ひえええ。緊張するよう」
瞬也ごときで!
「頑張って、茜ちゃん。
茜ちゃんは出来る子だもん。」
両手を握りあって、あたしは遊園地へ向かった。
と言っても隣のとなりだから、いつもの帰り道とほとんど違わない。
まだ明るいのに、見上げると、へいの上にカラスがいた。
いっぱいいた。
……なんか、嫌な感じ。
カラスって不吉っていわなかったっけ。
気にしない、気にしない。
遊園地のゲート前だよね。
時間は4時ちょっと前。
ゲートの片隅によりかかる、見慣れた姿。
「よう」
目線をそらしたまま話しかけてくる、最近の姿。
瞬也が既にそこにいた。
あたしは、実はこの世界のことをなあんにも知らなかったんじゃないかっていう、
たよりない気持ちになっていった。
いよいよその時が来た。
「ひえええ。緊張するよう」
瞬也ごときで!
「頑張って、茜ちゃん。
茜ちゃんは出来る子だもん。」
両手を握りあって、あたしは遊園地へ向かった。
と言っても隣のとなりだから、いつもの帰り道とほとんど違わない。
まだ明るいのに、見上げると、へいの上にカラスがいた。
いっぱいいた。
……なんか、嫌な感じ。
カラスって不吉っていわなかったっけ。
気にしない、気にしない。
遊園地のゲート前だよね。
時間は4時ちょっと前。
ゲートの片隅によりかかる、見慣れた姿。
「よう」
目線をそらしたまま話しかけてくる、最近の姿。
瞬也が既にそこにいた。


