きれいな夕日があたりを照らしている。
幼稚園かばんを肩からさげていた。
手をつないでいるのは、瞬也のお母さんだ。
あたしのお母さんは仕事で忙しいから、よく瞬也のおかあさんが一緒に連れて帰ってくれたっけ。
「あかねがじぶんで『あかね』っていうのは、へんなの?
『わたし』っていうの?」
「んー、そうねえ」
瞬也がバッタを探しに草むらへ突っ込んでいったので、空いた手をあごに軽くあてながら、瞬也のおかあさんがこたえた。
「茜ちゃんは『わたし』っていうより、『あたし』って感じかな」
あたしと同じでね、と瞬也のお母さんは言った。
あたしはあんまり納得できなかった。
「それじゃあ、なんであかねは『あかね』っていうなまえなの?」
『あたし』って言わなきゃならないなら、何故『あかね』という名前があるのかってことを聞きたかったのだけど、彼女は名前の由来をこたえた。
「それは、茜ちゃんのお父さんとお母さんが、夕日で茜色に染まった景色が大好きだからよ」
「へーえ。じゃ、ときやはなんで『ときや』っていうの?」
瞬也のおかあさんは目を細めた。
「それは……」
幼稚園かばんを肩からさげていた。
手をつないでいるのは、瞬也のお母さんだ。
あたしのお母さんは仕事で忙しいから、よく瞬也のおかあさんが一緒に連れて帰ってくれたっけ。
「あかねがじぶんで『あかね』っていうのは、へんなの?
『わたし』っていうの?」
「んー、そうねえ」
瞬也がバッタを探しに草むらへ突っ込んでいったので、空いた手をあごに軽くあてながら、瞬也のおかあさんがこたえた。
「茜ちゃんは『わたし』っていうより、『あたし』って感じかな」
あたしと同じでね、と瞬也のお母さんは言った。
あたしはあんまり納得できなかった。
「それじゃあ、なんであかねは『あかね』っていうなまえなの?」
『あたし』って言わなきゃならないなら、何故『あかね』という名前があるのかってことを聞きたかったのだけど、彼女は名前の由来をこたえた。
「それは、茜ちゃんのお父さんとお母さんが、夕日で茜色に染まった景色が大好きだからよ」
「へーえ。じゃ、ときやはなんで『ときや』っていうの?」
瞬也のおかあさんは目を細めた。
「それは……」


