ビバ!マジック~ドキドキ☆同士~

きれいな夕日があたりを照らしている。

幼稚園かばんを肩からさげていた。

手をつないでいるのは、瞬也のお母さんだ。

あたしのお母さんは仕事で忙しいから、よく瞬也のおかあさんが一緒に連れて帰ってくれたっけ。

「あかねがじぶんで『あかね』っていうのは、へんなの?

『わたし』っていうの?」

「んー、そうねえ」

瞬也がバッタを探しに草むらへ突っ込んでいったので、空いた手をあごに軽くあてながら、瞬也のおかあさんがこたえた。

「茜ちゃんは『わたし』っていうより、『あたし』って感じかな」

あたしと同じでね、と瞬也のお母さんは言った。

あたしはあんまり納得できなかった。

「それじゃあ、なんであかねは『あかね』っていうなまえなの?」

『あたし』って言わなきゃならないなら、何故『あかね』という名前があるのかってことを聞きたかったのだけど、彼女は名前の由来をこたえた。

「それは、茜ちゃんのお父さんとお母さんが、夕日で茜色に染まった景色が大好きだからよ」

「へーえ。じゃ、ときやはなんで『ときや』っていうの?」

瞬也のおかあさんは目を細めた。

「それは……」