ビバ!マジック~ドキドキ☆同士~

「うおりゃあああっ!」

「ぐはっ」

「おりゃあ!」

「いでっ」

ナイトのあたしをスルーして亜美ばかり狙ってくるボールを、

ことごとく受け止め、

投げてきた奴に向かって投げ返す。

大体は一発でしとめた。

ボールのラリーはあたし以外ほとんど男子ばっかに回っていて、

ナイトのはずのイマイは、いちども投げてこない。

なんせ「姫」だもんな。

それなら先に雑魚を片付けるまで。

「おりゃおりゃあっ!」

向こうの男子がどんどん減ってく。

F組には瞬也もいる。

あたしの実力を知っているせいか、ぜんぜん参加してこない。

こっちもなんとなく、あてにくいから避けていた。

しまいには、F組の男子は瞬也だけになった。

「茜ちゃん」

亜美がこそっと耳打ちをした。

「向こうの王さまって、瞬也くんじゃないかな……」

「えーっ」

ということは、いずれあてるハメになる。

一瞬、さきにナイトをやっつけようかと思った。

でも、女の子に攻撃しちゃいけませんって、師匠に言われてるし。

迷いが生じて、ボールをのがしてしまった。

F組のコート内を転がったボールは、

イマイに拾われた。