咄嗟に逃げ込んだ音楽準備室のドアに背中をつけて、俺はぺたりと座り込んだ。

ノー天気な顔して、遊園地に「もう行った?」と言われた時には心臓がどうにかなるかと思った。

胸ポケットから、二枚のチケットをつまみ出すと、無造作にズボンのポケットに突っ込んだ。

好きとかデートとか、そんなんじゃない。そんなんじゃないんだ。