咄嗟に逃げ込んだ音楽準備室のドアに背中をつけて、

過去の瞬也はぺたりと座り込んだ。

胸ポケットから、二枚のチケットをつまみ出すと、

無造作にズボンのポケットに突っ込んだ。

そのまま、授業が始まる直前まで、過去の瞬也はずっとそこにいた。

そのあいだに、たぶん過去のあたしは、

亜美やイマイと話しているんだろう。

<このへんにしといてやるかの。>

長老の声がした。

景色が、変わった。