「ほっといて、ごめんね」


銀色のニンゲンが僕の頭に水をポタポタ落とした。


「泣くなよ」


にゃー


「チビも鳴くなって」


おねぇちゃんは僕にとっても美味しいものをたくさんくれた。


「いつかあげようと思って買ってたの」

「子猫用のウェットねー。準備いいじゃん」


僕はそれをガツガツ食べた。


「痛いっ」


まだ足りなくて、銀色のニンゲンの手をかじってしまったほど。


「サクラちゃん、大丈夫かな?」

「なんとかなるだろ」

「本当に大丈夫?」

「なにが?」

「だって、2匹目考えてなかったでしょ?」


銀色のニンゲンの手が僕の頭を撫でてくれる。

僕がずっと欲しかったもの。