太陽が焼いた道路は、僕の肉球をジリジリといじめた。


にゃー!


「いた!」


銀色のニンゲンがまず気付いてくれて、次に水色のニンゲンが僕を見た。


「こら!チビ!危いっ」


水色のニンゲンが僕の名前を呼んで、こっちに走ってくる。

ニンゲンにはわからないらしい。
クルマの音はどこからも聞こえない。

僕は初めて、道路を渡った。


にゃー!


初めて、銀色のニンゲンのそばに寄った。


足元にすり寄って、撫でて撫でてと鳴いてみる。


「今までなんにもしてやれなくて、ごめんね」


銀色のニンゲンの手は、思っていた通り、優しかった。