ゴロゴロゴロゴロ


ひとりぼっちじゃないのが嬉しくて。
暖かいのが嬉しくて。

僕は盛大に喉を鳴らした。

僕が喉を鳴らすとニンゲンはいつも喜んで、僕をたくさん撫でてくれるから。

草の中のあの場所で、いつもそうした。

今も、僕を抱いているニンゲンに喉に鳴らしながら頭をすりよせる。


「ゴロゴロって、喜んでるよ。ねぇ、お母さん」

「そういう問題じゃないの。元の場所に置いてきなさい」

「ヤだ!」

「ヤだじゃない!」

「ヤだ!」


僕は苦しさの中、喉を鳴らし続けた。