雨に濡れると僕の体は寒くて震える。

濡れた毛が体に張り付いて、そうしたらまた
より一層の寒さを感じる。

体を丸めたら少しはマシになるんだけど、丸める場所もないくらい、周りは水だらけ。

何人かのニンゲンが僕の前を走って行って、僕はそれについて行こうとしたんだけど、この木の根元から水を越えて飛べる自信はなかった。

水の集まる場所を通るクルマが、水を跳ね上げて僕にかけていく。


にゃー!
僕はここにいる!
にゃー!
誰か助けて!


声が枯れそうだ。

前にも、声が枯れそうに鳴いたことがあった気がするけど、思い出せない。