そのせいか、元々、女子にはモテるグンジであったが、アイドル的存在にまでモテ度が急上昇した。

しかしグンジの隣にはいつも理理子がいた。

同じ高校に通っていた二人はクラスは違えども、休み時間になれば、理理子が友達をひきつれてやってくるのだ。

理理子には権力というものを手に入れる能力が天才的に備わっていた。

父親が県会議員だからか?運送会社の社長だからか?
そして母親にしてもPTAの会長だからか?
なおかつ、元雑誌モデルだったからか?

さらに一つ上の兄は優等生でありながら、地元では知らない人間がいないくらいに、顔が広く、喧嘩がめっぽう強い権力者だからか?その筋の組織にも出入りしているからか?

理理子が華やかになる要因は数限りなくあった。

グンジが朝、学校に行くと下駄箱の中には、ラブレターが入り過ぎて上履きが見えないと言う事がよくあった。理理子と一緒に通学しているので、その度にグンジは理理子の顔色を伺っていた。理理子は慣れた手つきでカバンからゴミ袋を出すと、根こそぎラブレターをゴミ袋にかきいれるのだった。