「私だけを見ていて…」

それが理理子の口癖だった。

グンジには理理子の確実に自分に惚れて惚れて惚れこんでいるのが痛いくらいにわかっていた。

中学3年から理理子からの告白を受けて軽いノリで付き合い始めたのはいいが、晴れて大学入学を果たしたグンジには理理子と言う存在が凄く重い存在になっていた。

華のキャンパスライフを楽しみたいと思うのは罪な事なのか!?って事を本気で考えるようになっていた。

「大学で女と話したら絶対に許さないから。」
理理子は張り詰めた表情でグンジに言った。

「ばか。何言ってるんだよ。俺が今まで他の女と話した事があったか?」

理理子はきっぱり首を振った。

「今までだって、これからだってずっと一緒だよ。」グンジはそう言って理理子を抱き寄せた。

部屋にはテレビの音だけがただ、ただ流れている。

何回同じ事を言って、同じ動作をしているのか…気が遠くなる感覚が襲ってくる。

理理子の事は誰よりも愛してる事は自負してる。

だけどこの迷いはなんなのか…

グンジは中学から一貫して理理子だけだった。

高校に入学してからは、凄い勢いで身長が伸び、186センチにまで到達した。