「なんで、私を見てたんだろう」

頭に何か付いてたとか?!

笑顔が変だったとか?!

どうしよう!だとしたらすごく恥ずかしいよっ


「先輩鈍いですね」

「えっ・・・・・・」

「先輩が可愛いからに決まってるでしょ」


私は遼君の小さなため息に気付かなかった

「俺、好きすぎるから不安なんです。

ねえ───先輩?



もう、俺のモンになっちゃいます───?」



また、遼君の真面目な顔

こうして言われると、返事に困る

好きでもない遼君と曖昧な気持ちで付き合うなんて



私にはできない


「───っごめん」

「そんな辛そうな顔しないで、先輩。笑ってください」


“俺、笑ってる先輩が好き”

“今はダメでも、絶対振り向かせます”



「私、どうしたらいい───?」

枕に顔を埋めるも、答えは出なくて・・・・・・

頭の中で遼君の言葉がグルグルと回ってこの日はなかなか寝付けなかった