屋上は、思った以上に風が強かった。

「ぅぁー……風つっよ!」

靡く髪を押さえながら忌々しげに呟く。
ポニーテールだからちょっと邪魔になるくらいかな……。

ガチャッ。

屋上のドアが開いて女の子が入ってきた。

「うっ………。」

綺麗な白髪。
大きな目。
小さな唇に小さな顔。

「あ………。」

ノエルに負けないくらいの美少女だった。
しかもその子、さっき私がぶつかった子じゃん!

「髪の毛邪魔ー………」

可愛らしい声と容姿で、男子にも人気なんだろう……。

くっそ、羨ましい。

「んーっっ!はぁ!キッモチいいー!」

息を吸って吐いて……。
深呼吸をしてから座り込む女の子。

「あ……。先客がいたんだ……。」

私たちを見つけ(遅くない!?)ニコッっと笑う。
可愛い……。