「リイナ。」

「?何?ナツ。」

ナツが神妙な面持ちでこちらを見つめる。

「何か、聞こえない?」

「?」

耳を澄ましてみる。
でも何も聞こえない。

「なんだか………地鳴り?」

ナツ、そんなに分かるの?

スチャッ。

亜理肴が腰(スカートの内側に付いてた)のベルトから銃を取り出す。

え?

「ほい、神崎さん。」

竜恩寺君が私に向かって剣を投げる。

え?

「一本でいい?」

「俺は大丈夫。」

「えっと……。私も頑張る!」

もしかしてこれは…………!

「戦争…………だよね?」

「うん。」

屋上から覗くと、遥か向こうから黒いモノが何個もこちらに向かって走ってくる。
きっと対戦校。

「これがボクらの初戦だよ?」

「ていうか、他の皆は?」

「体育館。」

「体育館って、超防音室じゃん!」

体育館近くに爆弾置いて爆発させても壊れないし、中にいる人には何も聞こえない。
そんくらい体育館の防音性は高い。

「厄介なとこに行ったな………。」

「ライブから帰る途中で校長の話あるって戻されたらしい。」

先に帰っててよかった………。

「先に聞いておきたいんだけど………。」

さっきまでずっとパンを食べていた黒羽君が口を開く。

「皆何ランク?」

「私C。」

私はCだ。

「ボクはBだよ。」

亜理肴はB。

「俺はA。」

鳳塚君がA。

「僕はB。」

竜恩寺君はB。

「俺はB。」

風雷君もB。

「私は____S。」

そしてナツがS。

「「「S!?」」」

最高ランクS。
そっからA、B、C、D、E、Fと下がっていく。
ナツはその一番上、S。
皆が驚くのも無理はない。

「オケ………じゃあ、戦闘開始、だ。」

黒羽君のその言葉で皆が一斉に動き出す。

戦闘、スタート。