「オレ、本当に所沢さんのことが好きなんだよ 。だから付き合って?優しくするし、これから 好きになってくれればいいから。な?」
「や……嫌です!離して!」
どう見ても、七星は嫌がっている。
助けようと足を踏み出そうとしたけど、ふと踏み留まった。
俺が行っても迷惑なだけかもしれない。
でも……
「やだぁ……っ!」
「そんなに拒否らなくても」
「~~っ」
首をイヤイヤと振る七星の目からポロっと涙が零れたのが見えた瞬間、俺の身体は反射的に動き出していた。
「おい。俺の女に手ぇ出してんじゃねぇよ」
「は?」
「っ、西崎くん……っ!?」
ずかずかと二人に近寄り、七星の身体をぐいっと引き寄せる。
そして、男を睨んだ。
「わりぃけどさ、諦めてくんない?七星は俺の女だからさ」
「あ、お前、元カレか。お前ら別れたんだろ?学校中が知ってるぜ?」
「……別れてなんかねぇし。七星は今も俺の女だっつの。だからさっさと失せろ」
“俺の女”なんて超はったりだし俺の一方的な想いだけど、今は七星を助けるためだ。

