不器用男子の、恋。



「っ!」


反射的に息を飲んでしまった。


ここ3週間、直視できなかった七星の笑顔に、ドクドクと心臓が速くなっていくのを感じる。


……俺、やっぱりまだ七星のことがすっげぇ好きだ……。


ふと七星の視線が俺を捕らえる。


「っ!!」


ばっと俺は七星から目を逸らした。


今真正面から七星を見たら、俺は確実に泣く。


そんなカッコ悪いことはしたくねぇし、これ以上嫌われたくない。


「……教室戻る」


「は?いいのか?所ざ」


「いい。もう……忘れたいんだよ」


俺は七星の視線とダチを振り切るようにして、教室に入った。