不器用男子の、恋。





「はぁ。」


「……てめぇ、いい加減にしろよ?毎日毎日、その溜め息ウザいんだよ」


「……はぁ。」


七星と別れてから3週間。


俺はまだ失恋の痛手から立ち直れていない。


むしろ、七星への想いは膨らむばかり。


「はぁ。」


「そんなに所沢のこと好きなら、土下座でも泣き落としでも、もがいてみればいいだろ?」


「……そんなことしたって迷惑だろ?七星は俺のこと嫌いなんだから。……はぁ。」


「……お前さ……あ。」


ダチの声に反応して、俺は下げまくっていた目線を上げる。


……目に写ったのは、七星。


七星は友達と笑いながら、こっちに向かって歩いてきていた。