グッと息を呑んでから、 チラッと三神君を見て歩き出す。 三神君は私の後ろを付いて来てくれていた。 ああ、1年間見ていただけの三神君が後ろに居る…… そう思うと決心が揺らぐけど、 私はもう、良いように使われるのは嫌だ。 ちょっと周りに聞かれるのは嫌だったので、 少し歩くけどあの桜の木の下まで行く。 桜の木は、 もうとっくに花を散らせて青葉だけになっていた。 まるで、『お前の夢も終わりよ』と言っているようだ。